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自信・四段昇段の記に寄せて

[ 2018年11月26日 ] [ 高槻 宮之川原教室 ]

こんばんは、宮之川原教室の高木です。


今日は、これまでとは少し違った話をしてみようと思います。


自己紹介の回で、趣味に将棋がある、と言いましたが、
将棋界隈には、「将棋世界」という月刊誌があります。

私も毎月、書店で購入しているのですが、
毎月の連載、公式戦の結果、棋士へのインタビューなどのほかに、
別冊の「付録」という小冊子がついてきます。

内容はおもに毎月のテーマ別問題集なのですが、先月の分はというと、
「四段昇段の記」セレクションなるものでした。
四段、すなわちプロとして戦う権利を勝ち取った新人棋士が、
養成機関「奨励会」をどのように過ごし、戦い、また苦しんできたのか。
それを振り返るとともに、今後の抱負を語る、というものです。


奨励会には、日本全国各地の強豪たちが集まってきます。
小学生の高学年ごろに奨励会に入会し、プロになるまでに
早くて5年、長いと10年以上かかるといわれています。
また、20歳で初段、25歳で四段という「年齢制限」があり、
それまでに到達できなければ、その時点で退会となってしまいます。
そして、入会者の8割以上が、最終的に棋士になれずに辞めていく、そんな世界です。

藤井聡太七段は、14歳での四段。やはり天才と呼ばねばならないでしょう。
しかし、奨励会に集まっている時点でかなりの天才であり、
そのなかで棋士となった者は、天才であり、努力家でもなければなりません。


棋士といえど、人間です。
棋士となる人たちにも、さまざまな個性があります。
インターネットを通じて将棋の対局が中継される機会が増えたことで、
より注目を浴びるようになったと感じます。
文章がうまい、達筆だ、饒舌だ、楽器ができる、などなど・・・

四段昇段の記を読んでいても、
朴訥としてあまり文章としてはうまいといえない方から、
小説家が書いたような文章を書く方、
さらには、将棋以外のことに触れる方など、実に個性的。
しかし、その中で共通していること、つながっていることがあるのです。

それが、「自信の大切さ」です。

 

皆さんは、自信、ありますか?
唐突で、ずいぶんと抽象的ですよね。
何でもいいのです。
中高生の皆さんなら、勉強、部活、あたりでしょうか。
これだけは負けへんぞ、近所で一番、学校で一番、というものです。

私の幼いころは、将棋ではだれにも負けない、という自信がありました。
実際その頃は学校や近所ではほぼ負けなしだったように思います。
隣町の大会に出てコテンパンにされたんですけどね(笑)
先述の奨励会云々は考えもしませんでした。


自信とはどうやって得たらよいのでしょう?

ふつうは、「結果を残すこと」で自信が深まりますよね。
テストでいい点とった!とか、試合に勝った!とか・・・
できる!が数字にや結果になったとき。これはとても分かりやすいですし、
誰もがそうだと思うでしょう。


では、「結果を残すこと」以外で自信を持つ方法はないのでしょうか?
それが、練習、勉強ということなんだと思います。


四段昇段の記で、橋本八段は、こう残しています。
「負けが込んで、人生で初めて将棋がいやになった」
「誰よりも将棋に打ち込んで、それを自信にするしかない」
「寝る間も惜しんで、将棋に没頭した」
「今期は初戦から強敵が続いたが、自信を持って指せたことが、
 好結果につながったと思っている」

千葉七段は、
「(結果を見て)弱すぎる、と思った。強くなろう、とも。」
「とにかく将棋の本を読んだ。目についた本はとりあえず買った。
 以前買った本も読みなおした。将棋年鑑も「読んだ」。」
「強くなれたかはわからないが、成績は上向きだした」
と書いています。

自分が、誰よりも努力している。
そう思えるだけの努力を積み重ねていけば、おのずと自信はつくのでしょう。
テストの点数が不安なら、誰よりも勉強した、と言えるくらい勉強する。
次の試合が不安なら、一番遅くまで残って練習する。

それに、「これだけやった」という事実は、自分の中に必ず残ります。

2014年にプロになった黒沢五段は、
「練習の成果が出たのか、平常心で対局できた。しかし、勝ちにつながりません」
「焦る気持ちもあったが、練習でやってきたことを信じて臨むことに集中しました」
と言っています。

何かを突き詰める、打ち込む、ということは必ず心の支えになります。
私自身、大学入試の前日、ホテルで震えました。
持ってきた過去問、昨日までは難なく解けた問題に手が出ない。英文も頭に入らない。
そこですがったのは、勉強してきた日々ではなく、夏の吹奏楽コンクールの練習音源でした。
それを聴いて、震えが嘘のようになくなったのをよく覚えています。


自信がなくて、悩んでいる人、
それは、心のどこかで自分に甘かった、緩みがあった人なのだと思います。

勉強はもちろん、部活動でもいいと思います。
何でもいいのです。一つ、これだけは、というものを自信が持てるまでやりましょう。

自信を持つ、持たないということを忘れるくらい没頭しましょう。
この先、自分を見失ったとき、きっと、あなたの支えになってくれるはずです。

(了)